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「あたしのことを知ってるの?」
「ペガサスより、話は聞いております」
「ペガサスから……」
「あまり時間はありません。何かあったときのために、我が子をお連れください」
ライオンママの言ってることが少しもわからない。眉を潜めて、ライオンパパを見れば、頷かれた。
「何かあったときって……」
「まだ教えることはできません。しかし、大丈夫。きっと、貴女は全うすることができる……。……我が子を助けてくれた素敵な心の持ち主ですから」
言うだけ言って、二匹は去っていった。嵐のような出来事にあたしは目をぱちくりさせた。何が起こった? ライオンが喋って、時間はないとか言われて、でも大丈夫って……。全うできるって……。
全うってなんだ?
考え込んでいると、ライオンの赤ちゃんはすっかり着いてくる予定らしく、頬を脚にすりよせてくる。
まさか、放置するわけにもいかず、あたしはライオンの赤ちゃんを仲間にすることにした。
「どうしようかなー。ニックネーム……」
考えながら、先に進む。
雷強かったしなー。
なだらかな傾斜を登る。まさか、ライオンを連れるなんて夢にも思ってなかったけど、でも、この子可愛いしな……。
「決めた!」
ニックネームを決めた。ライオンの赤ちゃんは振り向く。
「貴方の名前は、ライ! ライオンのライと、落雷の雷をかけてみた! どうかな?」
ライはにこりと笑って抱きついてきた。あたしも抱き返す。動物相手だと、こうも簡単に行く関係が、人間になると悩ませることになるのが不思議だ。
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