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「ちょっと!! いい加減起きてよ!!」
大声で呼んで、お兄ちゃんの布団を剥いだ。
お兄ちゃんは身動ぎする。隣にいるレオは眠たそうに目を開けた。
全く……。
散々文句を言いたくなっていると、私の部屋からレミが入ってきた。レミはあたしの呆れた顔を見て笑った。
「きゅい」
レミの声でレオは飛び起きる。
あ、これ多分、なんか怖いこと言われたんだろうな。
レオより、兄だ。あたしはお兄ちゃんの目覚まし時計を手にとって、アラームを現在の時間に合わせた。
ジリリリリリと鳴り響いた。
耳を塞ぎたくなりながらも、それをお兄ちゃんの耳に当てる。すると、面白いくらいお兄ちゃんは飛び起きて、あたしから時計を奪った。
そして、アラームを止める。
「お、まえ! ふざけんな!!」
ボサボサっとした頭を掻き上げるお兄ちゃん。
「ふざけてんのはそっちじゃん。今日からレオと旅出るんでしょ」
ムッとして冷たく言い放てば、頭が働いてきたのか焦り始める。
お兄ちゃんはあたしがいるのもお構いなしに着替え始めた。あたしは苦笑しながら、部屋を出る。
すると、レオとレミがついてきた。
レオとレミは、あたしたちの家族であり、パートナーである。
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