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「家扉」
早急にSOSを
そうメールをしたのは僅か二分前であった
本当はメールの内容はこうだ
早急にSOSを理解して頂きたい
日本語的に可笑しいか?ではこう付け足すなら
今、俺は多分異世界に居る
分かって貰えたかな?わかんなくてもまぁいいけど
さて……この場所の説明をしよう。
取り敢えずこの場所は駅らしい。
ホームとホームドアがあるからな。
特筆すべきはそのホームドアの数である
ホームドアとは普通、列車の扉の数だけあるものであろう。だが
この駅のホームドアはたった一つしかない。
今、寄りかかっているたった一つだけである
こんな事あるだろうか?列車には確かにドアは四つあった。だが
ホームドアは一つなのだ。
理解不能だ。まるで理解出来ない!
金は何処から?業者は?そもそも管理者は?
いや
取り敢えずそれは置いておこう。
それからもう1つ気になると言うか不可思議な
事がある。
この駅には名前の札が無い。即ちこの駅の名前は無いのか、知る事が出来ないかどちらか
に限る理由である。
いや……札はあった。だが、無地なのだ。
この状況を嘲笑うかの如く、それは綺麗だ。
駅員は居ない。降りる客も居ない。
外に出ようかと思えば、ひたすら壁しか無い
ホームの端からはただ、闇が見えるだけだ。
通信手段はメールを送った途端、砂となり
消えた。
そもそも何故こんな所に辿り着いた?
そうだ、確か……
俺は駅の売店に入った筈だ。
そうしたら、電車内だったんだ。確かに電車内だった。そうして辿り着いたのがここだ。
そう言えばさっき少女を見た。
何かに似ていたのだが、思い出せない。
取り敢えず今はSOSを待つばかりだ
早急に
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