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「優くーん、またフラれちゃった……」
「先輩、今月で何回目ですか?」
「まだ3回目」
「まだって……これだけフラれても懲りずに告白する先輩って、すごいですね」
「それ褒めてる?」
「どうですかね~」
美術室で絵を描いていると、時々こうやってフラれたという報告をするために先輩がやって来る。
「今日は何を描いてるの?」
「宇宙です」
「またすごいものを……」
「先輩はどんな絵が好きですか?」
「優くんの絵ならなんでも好き」
そういうのずるいと思う。
俺が我慢できなくなるから。
先輩は俺の気持ちを知らない。
俺は先輩のこと、好きなのに。
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