俺と先輩

6/11
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
「写真、送りました」 「うん。ありがとう」 「先輩って…」 「ん?」 「夏生まれですか?」 「え?」 あ、あれ? 俺、何聞いてんだ? 「す、すみません! 忘れてください!」 「ふふっ、そうだよ。8月生まれです」 「やっぱり、そうなんですね」 「どういう意味?」 「明るくて、まっすぐなところとか、いくら失敗しても前を向いているところが、太陽に向かって咲いているひまわりみたいだなって思ったので、なんとなく夏生まれかなって」 「……ありがとう、嬉しい。優くん、大正解!」 ひまわりみたいな笑顔も好きだな。 先輩と一緒にいると、好きが溢れていく。 サッカー部のエースじゃなくて、俺にすればいいのに。 エースよりカッコよくないし、サッカーもできないし、至らないところがいっぱいあるかもしれないけど…… 先輩を想う気持ちは、誰にも負けない自信がある。 だから、振り向いて欲しい。 でも、 「私、今度こそ帰るね」 「あ、はい」 タイムリミットだ。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!