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この瞬間だけは、静寂が包み込んで、私とルイスの二人だけの空間になれた気がした。
「こんな、罪人の私を愛してくれてありがとう。本当に愛してた、ルイス」
私はルイスの手に重ねた剣を振りかざし、自分の胸を貫いた。
「メイア!」
愛しい人が、自分の名前を呼んでくれる。それだけで、私は幸せな人生だと言える。
そして、倒れこむ私をルイスは腕の中で支えてくれた。
「メイア、どうして…」
「あなたは、生きて…」
薄れゆく視界が、最後に写したのは、愛しいルイスの涙で濡れた表情。
でも、私が居なくなれば、ルイスは元に戻れるんだ。守ってもらえる仲間がいるから。
私が命をかけたのは、愛しい人を生かすため。
本当の愛を教えてくれた人。
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