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「メイア?」
不安そうな表情をするルイスの顔を、私はなるべく見ないようにした。
「そうよ、私がメイア。せっかくいい男捕まえたのに、あんたたちは邪魔するのね」
私は男を籠絡して生きてきた女、私の生き方は最後まで貫き通すんだ。
握りしめるルイスの手。
最後に少しでも愛した人のぬくもりを、感じていたかった。
「何をするきだ?」
怯んだ隊員たちは、これ以上私たちに近寄ってこない。ルイスはこの人たちに守られる。ルイスまでは傷つけることはしなさそうだ。
「私はずっと、姿を見たものの記憶を消して生きてきた。でも、こんな大勢の人を操ることは出来ないわね」
私は穏やかな表情で、ルイスの顔を見てみると、ルイスは裏腹に、緊張感のある不安げな表情が広がっていた。
私は彼の耳元で、彼にだけ聞こえる声で素直な私の言葉を囁いた。
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