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私はメイア。
男性の心の中に入るのが特技な私は、人の心の弱いところに入り込み、金品を貰って売り払う。転々として暮らしている私は、自由そのものだ。
そんな私の姿を、警察が追っている。それくらい知っている。でも、私は捕まらない。
イメージの絵だけは待ち中に貼られている。けれど、どれも似ていない。私はそれを嘲笑うように、その前を通りすぎるんだ。
そんな私は、いつものように男を手玉にとり終え、外にでると、怒鳴り声が聞こえてきた。
「この泥棒坊主が!今日こそは許さんぞ」
ふと、みると少年が盗みを働いたらしく、店主に捕まっていた。幼さ故の失態、私もあのくらいの頃は失敗ばかりだった。
「あらぁ、あんたいい男だねえ。私と遊ばない?」
私は慣れたように、店主の少年をつかんでいる手を握った。すると、いつものように、店主は私を見つめると催眠術にかかったように、少年の手を離し、私の手を握る。
そして、少年も唖然とした表情で私を見たが、私が頷くと盗んだものを握りしめて、コクリと頭を下げて走り去っていった。
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