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その瞬間、
コンクリートを突き破る音が聞こえた。
廊下に出ると、
コンクリートの破片が散らばり
砂煙が舞っている。
その中心に“それ”は居た。
廊下の中央、10メートルほど離れた位置で
クラウチングスタートの様な体勢を取っている。
敵は、ゼロの様な人間模造型とは異なり
機械そのものの姿だった。
その身体は金属で覆われていて
関節部分は
黒いゴムの様なもので覆われている。
その顔には
アクリルガラスがはめ込まれていて、
青くボンヤリとした光を発している。
ゼロは、ドクターの部屋にあった
デッサン人形を思い出した。
アンドロイドはゆっくりと立ち上がる。
『“ゼロ”だ…ナ…?』
『貴方は“カイン”ですね』
あの国が作った“強力な兵器”とは
アンドロイドの事だったのだ。
『貴方の目的は?』
『お前ノ…破壊だ…』
その瞬間、カインは一歩で
ゼロの目の前まで近づく。
そして、右ストレートを繰り出してきた。
ゼロは、胸の前で両腕をクロスさせたまま
吹っ飛び
コンクリートの壁を突き破る。
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