Chapter.1

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『オレは…ヲ前を倒す為ニ造らレた… 倒す為“だけ”にナ…』 『それは光栄ですね』 そう言ってゼロは背中のジェットを開き カインの方へ飛ぶ。 そして二人は殴り合いの攻防戦を始めた。 お互いに相手の攻撃を防ぎながら 自分の拳をぶつけようとする。 金属と金属のぶつかり合う様な音が鳴り響く。 ゼロは相手の拳をかいくぐり、 回し蹴りを食らわす。 カインは後ろへ飛び、尻もちをついた。 『そノ…調子…ダ…』 カインの言葉は、ところどころノイズが混じり 時折、イントネーションがズレた。 戦闘以外の機能は そこまで発達させていないらしい。 ゼロは相手との距離を保ち、力を蓄える。 『なぜ、この研究所の場所が 分かったのですか?』 『発信器ダよ…。 宗教シン者のテロリスト…、 バンダナを巻いたヲトコに…覚えが…?』 ――クソッ…、 人型だってのに…体温は…ねえのかよ… 『なるほど、あのテロリストは 国に雇われた連中だったのですか 単なる民間団体が戦車を持ってた訳ですね』 『研究ジョの…位置サえ分かれバ…、 あトは簡単だ…』 『迂闊でしたね』 カインは急に立ち上がり、接近してくる。 ゼロは咄嗟にアッパーカットを繰り出すが カインはそれを左手で抑えた。  
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