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『こレも…“迂カツ”か…?』
そして力強いパンチを喰らい
三階の床が砕ける。
ゼロは一階まで落下した。
ココまでのダメージにより、
さすがの強化プラスチックにも
ヒビが入り始めている。
カインは足の裏からジェットを噴出し
ゆっくりとこちらへ降りてきた。
《ゼロ!ゼロ!聞こえるか!?》
ドクターの慌てた声が聞こえる。
『聞こえます。
カインがこちらへ降りてくるところです』
《カイン!?
兵器ってアンドロイドだったのか》
『その様ですね』
カインは瓦礫を避けながら
ゆっくりと降りてくる。
ゼロは立ち上がると
顔を上げ、その姿を観察した。
パワーにおいては相手の方が断然上だ。
肉弾戦において、勝ち目はない。
唯一の打開策は“ソーラー・チャージ”だ。
しかし、太陽の出ていない今
紫外線を集めることは不可能だ。
“だから深夜2時に攻めてきたのか…”
《勝機はあるのか、ゼロ!?》
ゼロはカインの観察を続ける。
その時、コンクリートの破片が降ってきた。
それはカインの頭に当たり
その注意をコンマ0.2秒間だけ逸らさせる。
『いいえ』
その瞬間ゼロは空気を揺るがすほどに
ジェットを稼働させ、
思い切り飛び上がった。
そしてカインに体当たりを食らわし
その頭部に何度も拳をぶつける。
そして
奴ものごとコンクリートを突き破った。
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