Chapter.1

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二体は勢い余って床で転がる。 ゼロが体勢を立て直した時、 カインはすでに目の前に立っていた。 防御姿勢を取る間もなくカインの拳を喰らう。 ゼロは仰向けのまま飛び、床をえぐる。 そのあまりの衝撃に 一瞬、機能が止まりかけた。 なんとか機能を取り戻すと ゼロは再度、ジェット噴射の準備を始めた。 カインはこちらを向き 両腕を顔の高さに上げる。 ゼロの背中のジェットがうなった。 二体は暫し、にらみ合った。 そして、周りのコンクリートが 砕け散る程のスピードで飛び出した。 5メートル…3メートル… ゼロは右手を顔の横に構える。 1メートル…! ゼロの拳が 音速レベルのスピードで繰り出される。 しかし、カインは左足を下げながら 身体を反転させる事でコレを避けてしまった。 その上、左手でゼロの右手をつかみ 右手で肩甲骨の開閉パーツをつかむ。 そして、カインの右足が ゼロの両足を刈り上げた。 凄まじい音とともに ゼロの身体が何枚ものコンクリートの床を貫く。 払い腰… これが柔道というスポーツの技だと 分かった時、 ゼロの身体は地下に到達していた。
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