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あまりの衝撃にゼロは暫く動けなくなくなる。
手を伸ばし、クレーターから出ようとしたが
自分の右手が無いことに気づく。
見ると
カインの手に自分の右腕が握られていた。
検索…検索…
打開策ナシ。
カインは、腕の破片を投げ捨てると
こちらへ飛び降りてくる。
もはや
ゼロの勝てる可能性は無くなった。
カインはクレーターの側で着地すると
その場でしゃがみ、こちらを覗き込んでいる。
ゼロは微動だにもしなかった。
攻撃する事はおろか
自らを守る事や逃避も出来そうにない。
これが死ぬという事なのだろう。
――…怖えん…だよ…
――私が、ですか?
――…死ぬことが、だ…
「ゼロっ!」
部屋にドクターが飛び込んでくる。
カインはドクターの方を向いた。
『あなタを…殺スのモ…制作理由…。
それで…オレの…目的ハ…達成…サレる…』
そう言って拳を握り直す。
動けないゼロの前に
ドクターを始末するつもりな様だ。
ドクターは青ざめた顔で後ずさるが、
カインは一歩一歩ゆっくりと近づく。
その時、ゼロの口が動いた。
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