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『神といえば、あなたの国では
“カイン”と呼ばれる兵器を
製作中だと聞いています。
何か心当たりはありますか?』
「さあな…」
『そうでしょうね』
ゼロも特に期待はしていなかった。
その時、
バンダナ男の手が震えている事に気づく。
『どうなさいましたか?』
「…怖えん…だよ…」
『私が、ですか?』
「…死ぬことが、だ…」
『死ぬこと?』
「アンタは…怖く…ねえのか…?」
死ぬ事…?
怖い…?
ゼロのCPUが超高速で稼働しだす。
そして
意識はそこで途絶えてしまった。
………………………………………………………
機能を取り戻した時、
視界には無機質に白い天井が見えた。
ゼロはそこで現状を把握する。
「気がついたかい?」
『ドクター…』
視界に、ゼロの製作者が入る。
丸眼鏡をかけ、
肩まで伸ばしたちぢれ毛を
頭の後ろで縛っている。
彼のトレードマークだ。
ココはアンドロイド研究所。
ゼロの“生まれ故郷”であり
普段は三階のメンテナンス・ルームで
待機している。
しかし、研究所の場所は
世間一般に対して明かされていない。
重大機密事項らしい。
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