すべての始まり

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すなわち、ここは私の家だった場所。今は人が住めるような場所じゃなくなってしまった。 (此処で母様と父様は殺された…) 私は人間と吸血鬼のハーフ、忌み子なのだ。 母様はかなりの力を持っていて次期の長になるであろうと期待されていた。しかし、父様と出会って母様は人間を嫌う理由に疑問抱いた。 そして母様と父様は恋をして私が産まれた。 一族の皆は反対した、人間なんて汚らわしい生き物と結ばれようなんて!考え直せ!人間は時期に我々の集落を襲い皆殺しにされるっと…。 しかし母様は断固として首を縦には振らなかった。 そして私は十五になった今日、育ての親の家から追い出された。 この集落から産まれた幼子は、十五になるまで育てなくてはならないという掟のおかげで、今まで殺されずにすんだ。 でもこれからは違う、私は誰に殺されても何も言えないのだ。しかし、忌み子で、一度は長の候補に上がった母様のおかげで私に近付く者は居なかった。 「この集落を出よう……」 そう呟くと、何処からか石を投げられた。 「イタッ!」 「よっしゃ!!当たった!」 「この集落から出てけ化け物!!」 私は声がする方を見ると、この集落の子供たちが私に向かって大小様々な石を手に睨んでいた。 「…………」 私は、構わず歩き出した。 「あっ!無視するなよ!!」 私が無視したのが気にくわなかったのか、さっきより大きい石を投げてきた。 それが運悪く私の頭に命中した。 「アウ!!」 ぶつかった所が切れたらしく、ドロッとした液体が垂れてきた。 「血だ、化け物にも血が流れ「いい加減になさい…」 石を投げようとした子供の手を掴んで軽く捻る。 「ギャッ!!痛い痛い!!離しやがれ!この化け物!」 涙目になりながら騒ぐ子供の手に更に弱く力を込める。 「痛い痛い!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!」 軽く手を掴んでいるだけなのに子供は泣き出してしまった。それを見ていた他の仲間が私に木の棒を降り下ろした。 「うわぁぁぁ!!」 私はその木の棒を片手で受け止め握り潰す。
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