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わらし(子供)の脚だら、大変だ。
すんぐ、脚が痛えの指の間痛えの始まった。
山の方さ見でも、いっつも雲かがってでなあ。
だぁれがやったんだが知らねけど
麓さ菩薩さんや、不動っつったっけな、崖さ掘ってあるんだと。
如来さま、とがよぉ。
そごさ、お参りして回んだと。
ずーっと…。
死ぐまでな。
握り飯、なんぼでっかいたて、そったらもん、3日は保たね。
道端の家さ泊めてもらう度に、恵んでもらうのさぁ。
施しだがらな、くれだ方も、善行ば積んだって、
いい事した事になんのよ。
孫居だからな、
不憫がって他のお参り達よか、貰ってたんでねぇが。
おれの分もくれでやっても、いっつも腹へらしてたなあ。
そいでも、やっぱし餓鬼だな、蝶々だバッタだって、
喜んでぼったくんのな(追いかけるのです)。
見でればかわいそうでな、泣きてぐなったもんだ。
6月、7月くれえだったがな。
でっかいお大尽の家さ旅芸人泊ったって、
踊りだの股旅物だの、見してた。
子供もいでな、芸すんだわ。めんこくてな(かわいくてね)。
子供だち、みんな寝でしまったっけ旅の親方来てな、
あんた、お参りさ行ぐんだがって聞いできた。
んだよって返事したっけ、
子供さん、俺たちのどごさ、置いでいがないかいってゆうんだ。
おれ喜んださ。
これから山道だ。家がねぐなる(無くなる)。
食い物だって、泊まるどごだって、ねぐなる。
そうがい、足手まといだんだぁ、
頼むじゃ(頼むよ)って、置いできたぁ。
孫眠ってるうぢに、すぐ発った。
…さみしくてよ、歩いででも、
どしてるべなあ、いじめらいでねえがなぁ
泣いでねえがなぁって、よぐ考える。
したけど、お参りさ行ぐよりはいいべ、
いがったいがった(良かった)って言い聞かせでよ、
歩ぐのさ。
ぜんぶ、おれひとりでいい、ってさ。
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