45人が本棚に入れています
本棚に追加
宮崎美鈴さん。
いわゆるバリバリのギャル系。
髪も金髪に染めて伸ばした髪にウェーブを効かせてハーフアップな髪型にセットしている。
最近ちょっと憧れている人。
怖そうであるけれど、そういうドライさが格好良いなという意味での憧れ。
良くも悪くも俺に対しても、表面上は誰と話している時も対応は変わらない。
ほんの少しだけ絡んだ事がある程度の仲。
ただの後ろの席の女子生徒である。
「じゃあ授業の準備してろよ」
担任は連絡を済ませて教室から消えていった。
それを見送り授業の準備に取り掛かる。
「うわっ、早速準備とか真面目だなぁ深森」
振られたらしき横山君は俺虐めにまだ満足していないらしく、いつも以上に突っかかる。
「べ、……別にこれくらい普通じゃないかしら」
「かしらぁ?あぁ?」
「く、苦しい……」
首をスリーパーホールドみたいに絡めてくる。
顔面潰してキャメルクラッチしてウォッチマンみたいに真っ二つにしてやりたくなる。
「苦しいかぁ?失恋した俺はもっと心が苦しいんだわ」
「ぁ……ぅ……」
生の鶏肉食べても食中毒に掛からなそうな不良野球部野郎がちっちゃい事をネチネチと嫌がらせに費やす。
失恋したのも性格1000%に顔面1000%が原因だよゴリラ。
「ご……、ごめんなさ、い」
心に思うだけで口に出せない。
流石に心だけは男なので考え事は俺で通している。
「あぁ?なんで謝るのかな?深森ちゃーん?え?深森君か?くんかくんか?」
「……ご、ごめんなさい。謝って、ごめん」
ちょっと何言ってるかわかんないけど謝っておいた。
「いつも女もののシャンプーとか愛用してんだろ?恥ずかしくないのかお前?」
「別に……」
「そういうのがきめーんだよ」
頬に顔面をぶん殴られた。
教室の連中は見慣れた光景なのか俺に同情すらしない。
嫌われているから、気持ち悪いから、見て見ぬ振り。
ただ、俺は可愛くありたいだけなのに……。
「恥ずかしいのはてめえだろうに……」
ボソッと遠野君が呟いたのが聞こえた。
苦しみながら遠野君を見るとつまらなそうに眺めている。
「…………」
遠野君はそもそも俺を助ける気が無さそうだ。
『なんでそんな負け演技でもしてるんだよ?』とでも言いたげな目。
遠野君が助けなくても俺なら1人で解決出来ると信じている目。
変なイメージが彼の中で作られている。
最初のコメントを投稿しよう!