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やっぱりトイレでパンを食べようか。
週3日くらいのペースでトイレでぼっち飯をしています。
廊下を歩いて近くのトイレに向かいます。
「やっぱりアニメのヒロインは金髪が最高だと自負するがお前はどう思うよ達裄」
「赤髪」
「なんでアニメってそんな奇抜な髪色ばっかりなのあり得なくない?」
「光はわかんねーかな、この魅力!」
遠野君を真ん中左にチャラ男、右にボーイシュな女を連れて遠野君が会話をしています。
どちらの男女も違うクラスの人らしく、俺ははじめて見た顔です。
普段あまり教室で見掛けないのはもしかしたら彼らとのコミュニティがあるからなのかもしれません。
態度は淡白ですが、クラスに居る時よりも大分楽しそうな表情を遠野君は見せています。
遠野君の邪魔はしたくないので引き返して違うトイレに向かおうと方向を変える。
「ん?おい、待て深森」
「って、はやっ!?」
遠野君に呼び止められて足を止めた。
「お前パン持ってどこ行くんだよ?」
「え、えっと……、トイレ……」
「…………」
遠野君と連れ2人が口をあんぐりとしていた。
「この子達裄と仲良いの?」
「ダチだからな」
「嘘くせー」
チャラ男の連れに笑われている遠野君。
ちょっとど突くくらいで怒っていません。
スキンシップに見えます。
「ん?あれ君ってもしかして達裄のクラスの女装してる子?」
「まぁ……、多分そうです」
間違いなく俺です。
「へー、そうなんだ。君可愛いね!男なのにそこまで可愛いのは羨ましいなー」
「光は可愛さとか皆無だしな」
「殴るわよ」
遠野君が軽口を言いながら笑っています。
こんな顔をするんですね。
「てか光、よく深森の事知ってるんだな」
「かなり有名よ」
「ふーん」
「その顔、あんたついさっき知りましたって顔してるわよ」
女性からの突っ込み通り今朝はじめて知ったみたいですよその男。
「屋上でも行くか」
遠野君グループに連れられて屋上に辿り着いた。
人はまばらに存在しており、片隅に寄って地べたに座り込む。
まさかトイレ飯が屋上でリア充みたいに団体で居座る事になるとは……。
チャラ男は海谷星丸 、ボーイシュな子は星虹光と名乗っていた。
「か、海谷君と星虹さんは私に対して嫌悪感とかは無いんですか?」
「ユニークで良いじゃん」
「可愛いからOK」
なんか遠野君の周りって良い人が多いのかもしれない。
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