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『フハハハ、俺は魔王!お前は俺の姿を見れているというならばそれは死ぬという合図さ』
幼女になった俺は死期が近いらしく魔王に追われていた。
『た、達裄君……』
『俺は魔王、達裄君なんていうのは日中の学園の仮の姿。真の正体は魔王であるのだよ』
『マイマザー!マイマザー!魔王が私の目前に見えるよ!?怖いよ、マイマザー……』
俺と一緒に馬に乗って、それを運転しているマイマザーに訴えかける。
『なんで私がマイマザーなのよ!私はクラス委員長であってマイマザーではない!』
『マイマザーにはあれが見えないの!?』
『……遠野君にしか見えないけど。どう見ても霧とか柳にはとても見間違わないわね』
マイマザー、というか委員長は夢の中でも堅苦しい委員長であった……。
『フハハハ、幼女はこの俺、魔王が連れていくぞ!』
『どうぞどうぞ、深森君を連れて行っていいんで』
『マイマザー!』
委員長に裏切られて魔王の手に俺の体は抱き抱えられた。
『まず野外キャンプ行くのに馬使わないでしょ。バスでしょ』
なんであの人、俺の妄想でもクソ真面目なんだ……?
『お前はこれから一生をかけて雌奴隷へと成長させてやる』
『ま、魔王……』
こうして、俺は魔王へのご奉仕しまくりな人生が始まったのであった……。
なんやかんや魔王は優しかったので惚れそうなったのは秘密である。
魔王と雌奴隷の恋愛なんて実現しないのであるから……。
―――――
「ふぁ……?」
シューベルトの魔王に影響されたのか今日の夢は変な茶番の夢であった。
「眠いよぉ……」
いつもより数時間早い起床に重たい眼をむりくり開けて朝の準備をしていく。
今日はジャージを着てこいとのことなので、男女共に同じデザインの学校指定ジャージを着ていく。
「なんか女装していないと変な感じ……。こんなの美少女じゃないよ!」
野外キャンプは1泊2日だし今日と明日は化粧すら出来ない。
最悪肌荒れそうだ……。
委員長には悪いが真面目に休むことを考慮していた。
「でも昨日達裄君と買い物してきたしね」
心配させられないよね。
朝食を急いで口に入れた。
歯を磨きながら、今日明かされるらしい野外キャンプの班員に憂鬱になる。
ランダム要素とか誰得だ……。
せめて達裄君と美鈴と同じ班になれたらいいのにな。
そんな願いをしながら駅へと向かってアパートを飛び出した。
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