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その刹那、バキバキという音と共にドラゴンの頭部が氷や霜で覆われたように白くなり、 ガラスが割れるような音とともに、白い光と氷の破片を撒き散らした。 同時にドラゴンが咆哮を上げる。 一発でもかなりのダメージを与えているはずだが、 すでに頭部だけで五発目、全体でもう二十数発は命中させている。 ほとんど体力を削りきっているはずなのだが、まだドラゴンは倒れない。 35歳になったばかりのエッカートだが、流石にこれだけの魔法を使っていては疲労が蓄積している。 体力は限界に近づきつつあった。 これ以上の持久戦では分がない。そろそろ勝負を決めたい。 エッカートは剣をすばやく柄に戻すと、両手で握り拳を作ると早口で詠唱を始めた。 それを読んでいたのか、ドラゴンが大きく息を吸い込んでいる。 ファイアブレスを吐く前兆だ。
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