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この小型のドラゴンはおそらく若い個体であろう。
だがドラゴンがどこの土地であれ、居つくことは許しがたいことであった。
ドラゴンが居つくことはすなわち、土地が痩せたり天災が起きることだからだ。
小さいドラゴンの目が瞬きをする。まだ息がある。
エッカートは剣を両手で持ち直し、首を切り落とすために大きく振りかぶった。
そして目を瞑り剣を振り下ろそうとした。
その時、風が吹きぬけるように男の子の声と女の子の声が同時に聞こえてきた。
――お父さん
閉じていた目を開け周囲を見渡したが、視線の中には誰も見えない。
ドラゴンが喋るなんて聞いたこともない。
かぶりを振って、気のせいだと結論づけた。
そして呼吸を整えると、剣を一思いに振り下ろした。
だが、エッカートはここで過ちを犯した。
うっかり小型のドラゴンを見ながら剣を振るってしまった。
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