雨の日のバス停

高校３年生の僕はバスで通学していて、その日は部活を終えて帰宅するバスに乗っている最中に急に雨が降り出した。

バス停で降りてバス停の屋根の下で雨宿りしていると、すでに辺りは暗くなって雨脚はさらに強くなっていった。

自宅までまだ少し距離がある僕は、雨脚が少し弱くなるのを待ってバス停を出ようと考えていた。

少しその場で待っていると、次のバスが停車して女性が１人降りてきた。

その女性は、髪型はロングのストレート、体系はスレンダー、顔立ちが整った美人系といった感じで、折りたたみ傘をカバンから取り出して帰ろうとしていたけれど、バス停で１人佇む僕に優しく声をかけてくれた。

「どうしたの？

　傘がないの？」

僕は緊張しながら返事をした。

「はい！」

すると女性は、少し考えてからまた話しかけてくれた。

「そっか！

　お家はどこ？」

「旭町です。」

「じゃあ、私の傘に入っていきなよ！

　私の家も同じ方角だから…」

僕が緊張しながら頷くと、女性は折りたたみ傘を開いて僕を隣に入れてくれた。

女性は僕と身長が同じくらいで、２人で相合傘の状態で歩き始めると、その女性からほんのり香水の良い香りがしてきた。

「お名前は？」

女性からの質問に、僕はさらに緊張しながら返事をした。

「島津 大輝です。」

女性は、さらに質問してきた。

「どこの高校に通っているの？

　何年生？」

「南高の３年生です。」

僕は女性の横顔をちらりと見て、さらに緊張しながら前を向いて歩いていた。