雨の日のバス停

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もうすぐ高校卒業という3月のある日、この日も雨が降っていた。 僕がいつものように帰宅するバスに乗っていて、バス停で降りると如月さんがバス停にいて傘を開こうとしていることに気が付いた。 僕は少し躊躇したけれど、何故か今話しかけなければ後悔するという思いがあり、思い切って如月さんに声をかけた。 「如月さん、先日はありがとうございました。」 如月さんは僕の方を振り返ると、笑顔になって僕に言葉をかけてくれた。 「あぁ~、大輝君だっけ!  今帰り?」 僕は、名前を憶えてくれていたことが嬉しくて、元気に返事をした。 「はい、帰りです。  今日は、傘ちゃんと持ってます。」 僕の発言に如月さんは笑ってくれて、僕も何故か嬉しかった。 どちらが言うでもなく、僕たちは並んで歩き始めた。 「大輝君は、大学に進学するの?」 「はい、東京の4年制大学の法学部に無事合格しました。」 如月さんの質問に答えた僕は、如月さんのことを知りたくて質問した。 「如月さんは、4年制の大学ですか?  何を専攻されていますか?」 「私も4年制大学で、法学部なのよ!」 この話を聞いて、如月さんと僕は法学部の話をしながら一緒に帰った。 途中、僕が道を右に曲がるところで、如月さんに声をかけられた。 「私の家は、まっすぐなの…  気を付けて帰ってね!」 「はい、ありがとうございます。  それでは、また!」 如月さんは、笑顔で手を振ってくれた。 僕は如月さんにまた会えて話ができたことが、とても嬉しかった。
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