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高校を卒業後、東京に上京して4年制大学の法学部に進学した僕は4年間で無事卒業し、法科大学院に進学した。
僕は、検事になる夢を果たすために猛勉強をした。
大学受験の時よりも、過酷な勉強をしたように思う。
まずは、法科大学院を修了し、司法試験を受けて何とか合格した。
次に司法修習を修了時に検事への任官試験を受け、これも何とか合格して検事として採用された。
僕は、地元に帰って検事としての仕事をするようになった。
雨が降るある日、僕が帰宅するバスに乗っていて、バス停で降りると如月さんがバス停にいて傘を開こうとしていることに気が付いた。
7年ぶりに会う如月さんに、僕は少し躊躇しながらも声をかけてみた。
「如月さん、ご無沙汰しています。」
如月さんは、少し驚いたような感じだったが、すぐに僕のことを思い出して返事をしてくれた。
「大輝君、元気?」
「はい、おかげさまで!」
僕が答えると、お互いに傘をさして並んで歩き始めた。
「大輝君は、今何をしているの?」
「はい、検事の仕事をしています。」
「へぇ~、凄いね!」
僕は、如月さんと話しながら、何故かわからない違和感を感じていた。
如月さんの服装は、僕が高校生の時に会った服装と同じように思え、如月さんの風貌も何も変わっていないように見えた。
そんな如月さんを見て、僕は如月さんが今何をしているのか聞きたかったけれど、聞くことを躊躇してしまった。
途中、僕が道を右に曲がるところで、如月さんに声をかけられた。
「それじゃあね!
お仕事頑張ってね!」
「はい、お気をつけてお帰りください。」
僕は返事をして道を右に曲がって少し歩いてから、曲がり角のところに引き返した。
角から顔を出して如月さんの歩いて行った方向を見てみると、如月さんはすでにいなかった。
如月さんが行った道は、相当先まで曲がるところのないまっすぐの道であるにも関わらず、如月さんの姿はすでに見当たらなかった。
僕は、如月さんのことを不思議に思いながら帰宅した。
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