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「グノーさん達、イリヤに引越し決まったって聞いたんで、もし良かったらこの家譲ってもらえないかと思って…」
「え?いいの?それならそれで助かる。どうしようかってナダールと言ってたんだ。そのままにしておく訳にもいかないし、売るにしても貸すにしても時間が無くてな。片付けも終わらないし、お前達がここに住むって言うなら置いてく家具とか全部使って貰えれば凄く助かる」
「こちらもそうして貰えると助かります」
なんだかママ達はにこにこしてる、なんのお話だろう?
お兄ちゃん達、この家に住むの?ルイのお部屋どうなっちゃうのかな?
「どうした、ルイ?」
ママが見上げるあたしに気が付いて、身をかがめて話しかけてくれる。
「ルイ達のおうちなくなっちゃうの?」
「え…いや、新しいおうちに引っ越すからって…う~ん、まだルイには難しかったか」
「ルイちゃんのおうちはなくならないよ。ずっとここにあるから、いつでも帰っておいで」
そう言ってお兄ちゃんはママと同じように屈んでルイの頭をまた撫でてくれた。
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