第三章

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 …いやはや、よくもよくもこんなストーリーを考えついたものである。スピーチを聞いていた参謀の一人なんぞは感極まって貰い泣きする始末だ。おそるべし高木大六。つくづく底の知れない人物である。  その肝心のミーだが、最初は少し情緒不安定なところもあったのだが、好物のローストビーフを食べてから、少しづつ元気を取り戻し、今はタカギ班の詰所で、再び猫に擬態しながら悠々自適な日々を送っている。まったく、散々人を心配させておいて、こちらはこちらで、いい気なものである。  俺の方はと言えば、少しばかり生活に変化があった。着ている服こそ、下っ端の制服そのままだが、胸に小さな、だが大きな意味を持つバッジが一つ加わった。イーグルチームの準隊員に昇格したのだ。  普段はタカギ班の一員として勤務しつつ、要請があれば、イーグルの大型戦闘機、フライヤーツーのサブパイロットとして操縦桿を握る事になったのだ。とは言え、所詮は準隊員、まだまだヒヨッコ、見習いである。  それでも、憧れのイーグル作戦室に出入り自由となった事は、俺にとって何にも代え難い、大きな名誉であり、喜びだった。  「おめでとうボンタ隊員、これからはカタカナ表記だね!」今ひとつピンと来ない褒め言葉だが、サキに言われれば悪い気はしない。これから二人の関係も発展するのか…それとも?     
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