第一章

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 「やっぱり来てくれたのにゃ。」ミーは喜びと寂しさが半々と言った口調で言った。「見捨てて生き延びたって、後から祟られるのは御免だからな。」我ながら時代劇のセリフかよ、と思わなくもないが、本心から出た言葉だった。俺は何の気無しに、ミーに右手を差し出した。その手を握り返そうと、ミーも手を差し出したその時、ブーザが爆発した。「その汚れた手で我が同朋に触れるでない!」  言葉と同時に、俺はどこからともなく飛来した電撃に打たれて、その場に悶絶した。ミーが、俺には理解できない異星の言葉で何事かを叫ぶ。電撃はそれで収まったが、俺は暫くの間、息をするのも精一杯の状況でもがぎ苦しんだ。  ブーザが、やや怒気を孕んだ口調で言った。「スリグ殿。私の忍耐にも限度がありますぞ。ここに到着してからの行動と良い、率直に申し上げて、貴殿はこの下等種との接触が長すぎた様ですな。本星に戻ったら、直ちに医務局に出頭することを、強くお勧め申し上げる。」何かを言い返す余裕もなく、ブーザは断固とした口調で続けた。「これをご覧になって、初心を思い出して頂きたいですな。」  目の前に、パレードのような華やかな光景が現れた。熱狂する沿道の人々、その視線の先に、揃いの制服に身を包み、整然と並んで行進する人々、様々な兵器らしき備品が宙を舞い、万能ポケットに吸い込まれては出て来る。     
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