第一章

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 俺は眼前の光景そっちのけで、意識を集中した。未知の語学を急速に学習した様に、念ずればそのまま、俺は船の制御系統に意識を滑り込ませる事が出来る。と突然、視界に操縦室の光景が割り込んできた。どうやら監視カメラの制御系を取り込んだらしい。そこでは宇宙服姿の四人が懸命にパネルの操作法を解析しようとしている姿が映し出されていた。中には、俺の分身も見える。やはり、俺のレイブンへの変身は解けていないようだ。  ブーザは状況に気付いているらしいが、地球人を完全に見下しているので、敢えて好きなようにさせているらしい。僅かの間に、俺と船のシステムはそこまで融合を果たしていた。  後は逆襲のチャンスを伺うだけだ。俺はその時が来るのを、じっと待ち続けた。そして…。
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