第二章

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 「嘘だと思うなら、お前自身の亜空間通信を使って本星と連絡を取ってみろ。」俺は冷たく駄目を押した。人工生命体に罪は無いと解っていながら、俺はどうしても、ミーを過酷な運命に巻き込んだ連中への嫌悪感を隠すことが出来なかった。  ブーザはコンピュータプログラムだ。疑念を提示されたら、徹底的に検証をするより他に選択肢はない。自分で自分を止められないまま、あらゆる手段を用いてブーザは情報を収集し、ほどなく一つの結論に辿り着いた。ロンタバ星滅亡と言う事実の確認である。  短い悲鳴と共に。緑色の光が弾け飛ぶ。俺は眩しさに思わず目を背けた。声は唐突に途切れ、気が付くと、レイブンに変身したままの俺とミーは、誰も居ない操縦室に立ち尽くしていた。防衛隊チームは内部からの破壊や制御を諦め、一足先に退去したらしい。…いや、センサーによれば、まだ彼らはシャトルデッキに留まって、善後策を講じているらしい。急げばまだ間に合う。  俺はミーを身振りで促した。が、ミーはその場を動こうとしない。「ボンタ、もうここで十分にゃ。これまでしてくれた事…本当に感謝しているにゃ。」     
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