第一章

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第一章

 目覚めると、俺は緑色の光に満たされた空間に漂っていた。どこからか、やや機械がかった声が聞こえて来る。「お目覚めかね?君のことはスリグから聞いているよ。ひとまずは、良くここまで辿り着いたと褒めてあげよう。」  「誰だと聞いたら、名乗ってもらえるのかな?」俺は落ち着き払って答えた。ナノマシンを利用した変身システムは、元はと言えばロンバダ星のものだ。当然、それを使った反撃は想定の範囲内で、対策も施されていた筈だ。俺たちだって、出来れば自分たちの力で反撃したかった。それが出来ないから、やむなく敵の兵器を使って捨て身の反撃を仕掛けたのだ。  「もちろんだよ。私はブーザ。この船の全てを管理している人工生命体だ。」  「ミー、いや、スリグをどうした?」聞きたくない質問だったが、そのために身を危険に晒したのだ。どうしても、確かめなくてはならない。  「私は同朋を傷つけることは出来ないようにプログラムされている。」その言葉と共に、俺の目の前で光が凝集し、ミーの姿を形作った。元気そうだ。良かった…。     
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