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幾分ほっとしながら慎重に抱き上げると、その下に何かがあるのに気づく。
まるで、十夜の身体の下に隠すように。
折り畳んだ古びた紙と、オレンジ色に輝く小さな宝玉。
十夜を腕に抱きかかえながらそれを拾い上げた美羽は、封印の岩を調べていた凪子に差し出す。
受け取った凪子は、すぐにそれをポケットに突っ込み、方陣へ足を向けた。
「雨が酷くなってきたから、戻りましょう。――― 十夜も手当てしてあげないとね」
「はい」
方陣に入って待つ凪子の元へ美羽が小走りに駆け寄ると、光の円は一度強く光った後、二人の姿を呑み込んだ。
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