22/22
前へ
/136ページ
次へ
 炎と風と雷と水。  四つの力を封じた宝玉と墨の乾いた符をポケットに滑り込ませると、凪子はソファを立った。 「さて、ちょうど丑三つ時。お邪魔するのにいい時間ね」 「そうですね。野次馬ももう居ないでしょうし」  何処へ、とも聞かず、美羽は爪先で方陣を描く。  ぱん、と両手を打ち合わせると、方陣が淡く光を発した。  二人が方陣に入ると、するりと足元に十夜が滑り込む。あっ、と美羽が上げた声を残して、二人と一匹の姿は掻き消えた。
/136ページ

最初のコメントを投稿しよう!

205人が本棚に入れています
本棚に追加