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椚から調査結果が送られてきたのは、陰陽寮に出向いた二週間後だった。
素っ気ない茶封筒に入った、妙に分厚い紙の束を抜き出した凪子は顔を顰めた。
「何コレ。ほとんど系譜じゃない」
二十枚に及ぶ系譜を脇に置いて、こちらはやけに簡潔な文書を取り上げる。椚による報告書だ。
『先日、依頼のあった多賀城学の件について、結論から言えば、鵜野蘇芳の子孫だったと思われる。母方をずっと辿れば鵜野に辿りつくが、血が薄まり過ぎている。系譜を見ると、鵜野には娘がいたようだが、陰陽寮の資料には娘はもちろん妻の存在も見受けられない。鵜野からの数代は信憑性に欠けると思われるが、何らかの関係はあると見ていいだろう』
読み終わった凪子は、片眉を上げて胡乱気な目で文字列を見る。
「―――― アバウト」
溜息交じりに零して、凪子は事務机の上にばさりと紙の束を置いた。
「まぁ、仮に血縁者だとして、どうして今まで呼ばなかったのかしら」
ソファに足を投げ出して座り、腕を組んで天井を仰ぐ。
もっと早い段階であれば、血の濃い者がいただろうに。
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