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プロローグ
悪戯に文明を進めた人間は力を手に入れた。力は武器であり薬であり、形は無限だった。しかし力は徹底的に管理され国で定められた一部の人間しか力を手に入れられない……筈だった。
だが力は何処からか漏れて行き、使い方を知らない人間達ですら簡単に力を手に入れていった。
力を手に入れた人間は力を自由と思い込み自由と無秩序を履き違えた人間で世界は溢れた。
一般的なのが薬、通称「フェリチタ」と呼ばれる麻薬だ。狂った人間は必ず薬をやっているとも言われている。
薬がもたらす一時の快楽に、人は逃げた。「フェリチタ」はたった一度使っただけで、逃れられなくなる程、中毒性が高かった。
効果は、体が軽くなる、悩みが消える、気持ち良くなるといった所だ。気が触れるよう作られ意図的にばらまかれたこの薬は、麻薬売人の巧みな話術により、心身共に疲れていた国民の心の隙間に入り込み栄養剤の一種として、秘密裏に売られていた。
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