【2】

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次の日、アラームで目が覚めた。目を覚ますと、部屋の前では朝食の配膳でドタバタしていた。ノックの音がし、翼が返事をすると青野さんで「おはようございます♪はい、景山さんの朝ごはんですよ♪」と言うとお盆を置いて、続けてメモ用紙を手にすると「リハビリは、今日の10時からです。ここにリハビリの時間が書いてあるのを置いておきますね♪」と言うと、走って行ってしまった。 昨日のリンゴがまだお腹に入っていて、元からあまり食べないからそんなにお腹は空いていなかった。 しばらくすると、また青野さんが入ってきて下膳をしているとほとんど食べていない翼にビックリしながら「しっかり食べないと痩せちゃうよ?」と言うと、翼が「昨日知り合いがリンゴを剥いてくれたのが、まだお腹に入ってて‥ところで車椅子、貸してもらっていいですか?」と言うと「わかったわ♪ちょっと待ってて」というと、車椅子を持ってきた。青野さんが「昨晩、おばあ様が言っていたんですけど、おばあ様が"あの子はスグに動きたいだろうから、車椅子より松葉杖にしてあげて"って、言ってたんですよ。でもそうはいかないですよね。」と言って、車椅子を渡す。 翼は深々とお辞儀をすると、青野さんも微笑みながらお辞儀をして部屋を出ていった。 ふと机の引き出しをあけると、祖父が愛用しているポシェットポーチが出てきた。その中には、充電器・髭剃り・歯ブラシセット・お財布・愛用している指輪・キャラクターのアップリケが付いているハンカチに隠すように包まれた煙草・ライターが入っていた。そのハンカチを見て、スグに関谷が入れてくれたんだとわかった。関谷は髭面で顔はコワモテだが、 メンバーより年上でメンバーを尊敬していて常に敬語で話すが、その中でも翼を尊敬し感謝している。
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