【2】

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祖母が「何処まで、迷惑を掛けるんだぃ!この子は!」と言うと、翼は「ゴメン‥ていうか、俺の容態は?」というと、靖治が「お前、左足複雑骨折だってよ。全治三ヶ月だと。」と教えると海が「何で、あんなトコにいたんだ?」と言いながら、リンゴの皮を器用に剥きながら、お皿にのせていく。 悠輔が泣きながら「死んだかと思ったー!」と言うと、祖父が「仕事先には連絡しておいたから、ゆっくり休め」と言い、病室を出た。その後を祖母が泣きながらお辞儀をして、追いかけていく。関谷が「レコーディングは延期っスね。ゆっくり休んでくださいね!じゃ、また明日も来るっス!皆、翼さんが疲れているから今日は帰りましょう」と言って、帰っていった。 海が剥いてくれていたリンゴを食べようと手を伸ばすと、メモの切れ端が置いてあった。それを読むと、こう書かれていた。『先ほどはすみませんでした。明日の14時、両親とまた来ます。奥間美波』手紙を読み終え、翼は「別に大した事故じゃねぇから、いいのに‥」と思いながら、変色し始めてきたリンゴを頬張っているとノックの音がした。返事をすると、看護士の青野さんという眼鏡をかけ、三つ編みの小太りの女性が紙を持って入ってきた。翼がお辞儀をするとニコっと笑って「初めまして!あなたを担当することになりました、青野昌子(あおのしょうこ)と申します♪景山さん、明日の朝食どうしますか?お好きなものと嫌いなものを教えてください♪」と聞いてきた。 「ホワイトアスパラとカリフラワーと鶏肉以外の肉が嫌い。あとはご飯も苦手。あとは平気」と答えると、青野さんがメモを取っていた。メモを取り終えると、笑顔で「ではまた明日来ますねぇー♪おやすみなさい」と言うと、部屋の電気を消してくれた。 ベッドから降りると月明かりを頼りに窓まで歩き、窓を開けてカーテンを閉めた、窓からは海が一望でき、心地好い風が吹き付けてきた。
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