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関谷は薬物依存症になる寸前だった所を翼に助けられた。必死に勉強を頑張り、別の仕事(シルバーアクセサリー店)をしながら教習所へ行き免許を取得した。 何かあったら怖いという理由で、翼の住むマンションの合鍵を身内以外で唯一持っている。(今のところ何もないけれど) 翼はポシェットポーチを肩に掛け、病室を出た。 梅雨明けしたらしく、太陽がギラギラとしている。翼は喫煙ルームへ行くついでに売店でノート・ペン・麦茶・洗顔料・ガム・ミント味の飴を購入した。 青野さんがくれたリハビリのある階を確認すると、煙草を吸い始めた。すると隣にいた中年で小太りの男性が声を掛けてきた。 「兄ちゃん、悪いけど火ぃ貸してくんねぇか?」と言うと、翼は無言でライターに火を着ける。男性が「悪い悪い。ありがとな。」と言い、だらけていた。すると「今日、娘が来んだよー♪」と言ってきたので翼は会釈をして、喫煙ルームを出ていった。
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