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プロローグ「神様との邂逅」
夢も希望も無くなったこの世界からおさらばする為に――――
裏切り陥れ信じた奴がバカをみる、そんな糞みたいな掃き溜めの世界で生きてきた。
そこから這い上がり外の世界へ行こうともせず、私は掃き溜めに両足を突っ込んだまま空ばかり見上げていた。
だが、そんな私にも、大事なものが出来る。
しかし、気づいた時に遅く、全部なくなってしまった。生きる事が苦痛でままならない。
だから自ら死ぬことを選んだ――――
「最後の一服でもしますか」
スーツのポケットから、くしゃくしゃに潰れた煙草と細かな傷が入った真鍮のオイルライターを取り出した。
吹き付けてくる風を遮りながら、派手な金属音擦り鳴らし蓋を開けたと、同時にオイルライターへ火を灯す。
そして、咥えたタバコへ火を付け、口を窄めて、煙を深く吸い込んだ。
「ガハッ……ゴホッゴホッ! ぐっん!」
久しぶりの煙草で、むせ返り涙目になった。
「フッ、最後だって言うのに格好悪いですね。禁煙なんてするもんじゃないな……」
何故だか可笑しくなり笑みが溢れた。
さして、美味しいと感じなくなったタバコをポトリと足元へ落とし、革靴の踵でググッと踏み消す。
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