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私はグイッと伸びをすれば、着用していた寝間着を捲り脱いでパサッと床に落とし、素っ裸になる。
顔に掛かる髪を掻き上げ纏めると、私はアンティーク調のチェストから、下着に黒い道服を取り出して着替え始めた。
身支度が終わったので、壁に掛けてある姿見の前まで行き、身なりを確認する。
鏡に映った姿は、癖づいた薄紅色の髪に、少々、釣り上がり気味の灰瞳で、まばゆい白肌を持つ眉目よろしい少女。
年齢は十五、六歳くらい。
ううっ、毎度毎度、この姿を拝むのが辛いけど、転生させてくれたのはありがたい。
二度目の人生が、女なのも百歩譲って良しとしましょう。
だがしかし、頭の上でピコピコ動いてる黒いネコ耳に尻から生えてる黒い尻尾はおかしいだろ! ケモノ娘にしろなんて言ってない! 詐欺だ、こんなの詐欺だぞ!
くそっ、思い出しただけで、忌々しい。あんな、しょうも無い事で、私の姿がこんな事になるなんて、神様のやつ、器が小さいぞ!
嗚呼、最悪、最低だ。
全く、朝からテンション下がり放しですよ。
二度目の人生、気がつけば、魔女の弟子なんてやっていた。
私がこの世界に転生して早三年。
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