30人が本棚に入れています
本棚に追加
見た目は二十代にしか見えない。
噂じゃ、五十を越してるらしい。
「ご機嫌よう、アマンダ……」
私は素知らぬ顔で挨拶し、アマンダの横を通り過ぎようとしたが……。
「何がご機嫌ようですか? 今頃、祈祷に参加するなんて言語道断です」
青筋を立て引きつる顔で、私の襟首を掴む。
「はぁ、すみません。気分が優れなくて遅れてしまいました」
「毎度の事ながら、よく、そんな嘘ばかり……嗚呼、嘆かわしや。終焉の魔女の直弟子ともあろう者がこの体たらく、そんな事では立派な魔女になれやしませんよ。ダリエラ、わかっていますか? それから、オルグも使い魔としての務めを果たしているのですか?」
ああ、やっぱし始まっちゃいますか、鬱陶しい説教タイムが。
私はチラッと足下に目をやったなら、恨めしげな瞳で、こちらを見上げてたオルグ。
うっ、ちょっと悪い事したかな。私のとばっちりで使い魔であるオルグも説教を受けるハメになってしまった。
アマンダは、目まぐるしく表情を変えながら、あーだのこーだの言ってくる。
私は右から左に話を聞き流して説教が終わるのをジッと待つ……はっきり言って、私は魔女なんて全然興味無いし、なりたくも無い。
最初のコメントを投稿しよう!