プロローグ「神様との邂逅」

7/9
前へ
/352ページ
次へ
 現状は把握出来た。  だとしとも、私を魂魄の状態で留めているのは、どういう了見だ? 「あの、あなたいったい何を企んでいる?」  私は顔を訝しめ言った。 「あっはは! そんな警戒しなくても大丈夫だよ。今更、取って食おうなんてしないよ」  確かに、今更、怖がってもしょうがない。  私は死んだも同然の状態だった。 「それもそうですね。今更でした。だけど、わからないのは、この状態です。あなたは何をしたいんですか?」 「僕はね、この世界で特に人間が大好きなんだ。よく人間世界を覗いているのだけど人間ほど面白い生き物はいないよ! つい最近もキミの事を視ていてね。僕は視ている人間の過去を覗き見る能力があるんだ。それでキミに凄く興味が湧いたから暫らく追っかける事にしたんだよ。そしたらキミ、ん? どうしたの?……何か言いたそうだね」  熱弁をふるっていた神様だが、私の様子を伺い訊ねてきた。 「……キモい ストーカーですか?」 「なっななな! しっししし失敬だな! ぼ、僕をストーカーという下衆と一緒にしないでくれ! 僕は神様と呼ばれる存在だ! その言葉取り消すんだ!」  私の呟きに、物凄い取り乱しようだ。     
/352ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加