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「理由ねぇ。大した事ではないよ。ただ僕がキミを気に入ったからさ。あそこで死なすのは、おしいと思ったんだ。神様のきまぐれってやつさ。まっ、強いて言えばキミが死の直前に零した願望を叶えてあげようかなと。で、返答は如何に?」
動機何てものは、いつも些細なもんだ。
人生をやり直せるのか……魅力的ですね。
なら答えは……。
「あなたの申し出を受けます。私を転生して下さい」
「そうかい! では、早速はじめようか。直ぐ終わるよ」
そう神様が述べれば、私を中心として足下に輝く黄金の円が現れた。
その内側に五芒星が有り、それを取り囲む様さまざまな、記号や文字が描かれる。
「これは、いわゆる魔法円と呼ばれるものだよ。キミ達の世界にも、色々と伝え広がってると思うけど、元々は僕等が創り出した物なんだ」
「映画や漫画の世界ですね」
「それと、キミが転生する所は、この地球と異なった世界だから、肝に銘じておく様に」
魔法円がゆっくり回転して、私の身体を精査するよう足下から頭上へ移動し始めた。
「さあ、そろそろお別れだ。存分に第二の人生を謳歌してよ 」
魔法円が、全身を精査し終えると、急に瞼が重くなり、意識が遠のいて行く。
「あっ! そうそう最後に一つ、僕を謀った報いは、受けて貰うよ」
その言葉を聞くと、同時に意識が落ちた。
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