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「あなたはいつまでここにいるのですか?」
やはり、たどたどしくはない。子どもの声帯で、大人が話しているような口調だ。
俺は顔をしかめる。
この子は一体何を言っているのだ?
「忘れていますよね?」
何を?
「やっぱり」
女の子が呟く。そして、ポケットから手帳を取り出した。付箋の貼ってあるページを開いて、読み上げる。
「川村大和さん。あなたは死んでいます」
「は?」
生きているじゃないか。
ここにいるんだから。
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