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俺は、生きていたかったのか、死にたかったのか。
生きているときも、死んでいたのか。
それに気付かず生きていたのか。
死んでからも、死んだことを忘れるくらい、俺はもう何もかもがどうでもよかったのか。
ああ、本当にどうでもいい。
生きていることも。
死んでいることも。
俺は、女の子の手を取った。
顔色一つ変えずに、女の子は俺の手を握る。
その手は、冷たかった。
生きている、という感じがするくらい。
境目なんて、どこにもないのかもしれない。
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