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第一印象は爽やかなイケメン。海外での生活が長いというのもあってか、誰に対しても親しみやすい対応を取っている。
「ねえねえ、小野坂くん。アメリカにいた時に彼女とかいたの?」
「こっちで彼女作らない?」
「私と付き合って!!」
1限が終わった合間の時間、転校生が来たという話を聞きつけた他クラスの奴らに教室は囲まれていた。当の本人は、早く取り入らんとするパワフルな女子たちの塊の中にいた。
「ちょっと落ち着いて。ちゃんとみんなと話すようにするからさ」
小野坂は収めようとするが、色めき立った女子達はなかなか静まらない。
十分間の休み時間。次の授業の準備のための時間なのだが、この時間の本来の目的を理解し果たそうとしてる人間が今ここに何人いるのだろう。
(次、体育なんだけどな……)
横田は先に更衣室に行ってしまった。担任に転校生の案内係を任されてしまったため、きちんと伝えなきゃいけないのは分かっているのだが。
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