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Forever in my heart
夏休みに入ってから毎日のようにケンちゃんの家に通っている。今日もいつものように迎えに来た。
「ケーンーちゃーん!」
玄関先から2階の出窓へ向かって声をかける。あそこはケンちゃんの部屋の窓だ。ガラッと窓が開かれると、そこからパジャマ姿のままのケンちゃんが顔を出した。
「シュウ! ちょっと待ってて!!」
引っ込んだ彼の部屋から、ドタバタと慌ただしく動く音が外まで聞こえてきた。
玄関の扉が開くとシャツを前後ろに着たケンちゃんが出てきた。急いでくれるのはいいけど、もう少しちゃんとして欲しいなといつも思う。
「じゃあ、母ちゃん! シュウと森ん中行ってくる!」
「こら、健太!! ……もうっ。二人とも、ちゃんとお昼ご飯までには帰ってくるのよ!」
「はぁーい!」
今日のお昼はなんだろう。うちの母さんは昼間は仕事に行ってしまうから、お昼はケンちゃんの家で食べている。今日は昨日より暑いから、そうめんとか食べたいな。
「シュウ、水着持ってきたか?」
「うん。昨日ケンちゃんに言われたから」
「よし! じゃあ河原まで行くか!」
強引に手を引かれながら、熱で揺らめくアスファルトの上を駆けた。
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