俺を助けろ!

3/9
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
今日は土曜日で、午前10時にリホと駅前で待ち合わせをして映画を鑑賞。昼はイタリアンを食べて午後はショッピングに付き合った。 その後は夕方四時には解散してアパートに戻った。アパートに戻ったとき、一階の階段前で大家に会ってゴミ出しについて注意されて、隣の部屋に住む小学生の女の子が挨拶がわりに駄菓子をくれて、部屋に入って少し経って通販の商品が届いて…。 とりあえずデートを思い返してみよう。 今日もいつも通りのデートだった。おかしなところなど何もない。いや、待てよ。何だか最近、リホの様子がおかしかったな。何かソワソワしていると言うか、話しをしいても心ここに在らず、と言うような…。 特に映画の時はひどかった。 リホが前々から見たいと言っていたファンタジー映画だったのに、途中寝てしまう始末。食事中は誰かとメールをしているのか、頻繁にスマートフォンをチェックしていた。 そう言えば別れ際に飲み物をもらったな。あれは、タンブラーに入った手作りのミントティーとか言ってたな。ベランダのプランターで育てたハーブで作った、と。 まさか! 俺は足元の俺を見た。伸ばした右手は、リホからもらったタンブラーを握っている。 リホが俺を殺そうとしたのか? 「いや、待てよ…?」 多分まだ死んでいないはずだ。なぜなら俺は幽体離脱をしてここにいる。なら、タンブラーには致死性の毒ではなく気を失わせたり体を麻痺させる毒が入っていたんじゃないか? そう言えば…。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!