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「死んだのか?」
もう一度俺の顔をよくよく見てみた。顔は青白く、口と目は半開き。とても寝ているようには見えない。それにしてもあめ玉で死ぬなんてマヌケすぎる。いや、俺らしいか。
「裕也、今救急車呼んだからな!大丈夫、後少しだ!」
と、太一。
「何で誕生日に倒れてるのよ!死んだら許さないんだから!」
と、リホ。
リホが持っていた紙袋からプレゼントのような包みが見えた。そして、ビニール袋からは折り紙で作ったリング飾りやパーティーグッズが顔をのぞかせている。きっとリホは今日の準備を頑張りすぎて寝不足になったんだな。
太一の持ってきたビニール袋にはビールや焼酎、ウイスキーの瓶が透けて見えた。3人で飲む量にしては多すぎる。こいつ、俺の家に酒をストックする気でいたな。
おいおい太一、そんな乱暴に心臓マッサージしたら肋骨が折れて内臓に刺さって死んじまうよ。
あ、もう死んでるか。
きっとあのタイマーは、死んだ後の自分を見送れる時間だったんだろうな。
大好きな2人に見送られて良かった。
疑ったりしてごめんな。
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