第6話 ~女子と二人でプリクラ撮るのは初めてかもしれない~

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 ▽▲▽ 「――で、どこ行きたいって?」 「“げぇせん”ってとこだ、“げぇせん”っ! ドワフリアで『海上要塞シャラザード』を撃破したとき、“げぇせん”のゲームみたいで楽しいって、かなめが言ってたからな。だから“げぇせん”」  場所は地球の俺の部屋。  魔王軍二つ目の拠点を破壊して、一旦地球に戻るかと転移ゲートに向かったら、カルロッテがついていくと言い出して、今の状況がある。 「ゲームセンターか。別にいいけど、遊園地みたいにカルロッテが楽しめる場所じゃないと思うぜ」 「そんなの行ってみなくちゃ分からないぞっ。さあ、“げぇせん”へと出っぱ~つっ!」 「はいはい、分かったよ」  そして俺はゲームセンターへと向かう。  足が思ったより軽い。  二度目の外出だからだろうかと思った俺だけど、それは多分違くて――。 「げぇせん、げぇせん、何があるかな、げぇせん、げぇせん、ふんふふふ~ん♪」    胸ポケットの中で、陽気に歌を唄っているカルロッテ。  ほんの一欠(ひとか)けらの感情――。  それが心の水面に落ちて波紋を広げた。  ▽▲▽   「ドキドキ。こ、これから何が起こるのだ?」  俺は指でつまんだカルロッテを前方へと突き出して、前後左右へと動かす。   そして、大体この辺かというところで止めた。 「これはプリクラって言って写真を撮る機械だよ。せっかくゲーセンに来たしさ、記念に。――よし、あの黒い丸(カメラ)を見てニコって笑うんだ。撮るぞー」 「よく分からないけど、分かったぞ。――ニコッ!!」  位置合わせ。  それは、カルロッテを遠近法によって人間と同じサイズのように見せかけるというもの。  カメラの画像を見る限りそれはうまくいっているようで、俺とカルロッテは、まるで人間同士のカップルのようだった。 撮ったあと、俺は取り出し口でプリントシールを手にする。   補正なしの二分割ということもあり、俺――そしてカルロッテはカメラで見たときよりも鮮明に映っていた。  白い肌の上に乗る、凛々とした大きな瞳。そして綺麗な歯並びを主張するかのような唇は潤いを帯びた桃色で――俺の心をトクンと鳴らした。  そのとき、  ――ごめんなさい。まだ早いけど、一度だけでも会いたくて――。  ――もう、行くね。……またそのときになったら――。
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