第7話 ~もしかして生まれて始めての恋かもしれない~

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第7話 ~もしかして生まれて始めての恋かもしれない~

巨窟(きょくつ)ゴリアテ』  それが次なる魔王軍拠点のターゲット。  場所は前日にカルロッテに聞いた通り、『ミゼットガルド』を東へ進んださきの、渓谷(けいこく)の中にあった。    周囲には霧が立ち込めており、視界が悪い。  風を発生させるための、団扇(うちわ)でも持ってくればよかったかもしれない。  俺は『巨窟ゴリアテ』を覗ける崖の影に隠れると、本日のアイテム一発目をズボンのポケットから取り出す。 「さてと、ことを始める前に……まずはカルロッテ。予定通りお前をこの中に入れて密閉する」 お馴染みとなった、“胸ポケットのカルロッテ”をつまみ上げると、俺は防音効果を高めた丸いトイカプセルの中に入れた。 「す、すぐ終わるんだよな? だってこれ空気穴付いてないし、時間が経つと窒息死するかもだし」  不安そうなカルロッテ。  俺はその顔を見た途端、何か形容できないものが背筋を伝うのを感じた。  つまり、カルロッテをいじめたくなっていた。 「大丈夫だ、カルロッテ。――半日くらいで済むから」 「半日っ!? そ、そそ、そんなに入っていたら死――」  俺はそこでカプセルを閉じると、 ズボンのポケットに放り込んだ。  ――はは、嘘だけどな。5分もあれば、多分終わるさ。  2発目のアイテムである拡声器のスイッチを入れた俺は、堂々たる歩みで『巨窟ゴリアテ』の門へと足を運ぶと、その拡声器を使って思いっきり叫んでやった。
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